ニュースや新聞で連日取り上げられる物価高の話題、コメや日用雑貨、ガソリンありとあらゆる価格が上がってきました。
そんな中、外食の価格も例外なく上がってきており、ラーメン界では一杯2000円が登場、トレンドになりつつあります。
ラーメンといえば、家系、二郎系、油そば、蒙古タンメン、つけ麺、色々な属性がありますが、また異なる価値を提供し始めております。
今回はラーメン一杯2000円について、背景やどんなラーメンか記事にしていこうと思います。
ラーメン一杯2000円が登場した背景
一杯2000円のラーメンはどんなラーメン?
ラーメン界の今後
ラーメン一杯の価格の歴史
過去のラーメン価格平均は以下の通りになります。
▶︎ラーメン一杯の平均価格
- 1962年:約48.5円
- 1975年:約211円
- 1985年:約383円
- 1998年:約515円
- 2008年:約588円
- 2020年:約602円
時代が異なると一概に比較できるものではありませんが、一杯100円を切る時代があったんですね。
ラーメンが大衆的人気を得たのは、1923年の関東大震災後。
ラーメンのイメージは安い金額で満腹になり、かつスタミナがつきそうという印象から人気が出ました。
その後、手軽に食べられる乾麺の登場、カップラーメンの登場と進化していくこととなります。
ラーメン一杯2000円に違和感を感じない時代が到来

ラーメン一杯1000円の壁がよく言われますが、1000円の壁どころか1500円の壁を乗り越えて、2000円の壁も越え始めるラーメンが登場しつつあります。
ラーメン一杯の値段感覚は時代と共に、店側も客側も変化が生じたためです。
細かい背景を覗いていきましょう。
ラーメン一杯1000円の壁は時代遅れ?
「1000円の壁を神格化しているのは、500円程度の時代からフリークを続けてきた中高年層ではないか。800円程度から慣れ親しんでいる若年層は、あまり壁を感じていない。ラーメン以外の物価高の方が深刻」
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/1c2b24b11a3c8974bef23215c82a131ffff91f6f 広報担当・中野正博氏のコメント
1985年〜1998年の間はラーメン一杯500円を切っていた時代のため、その時代には500円の壁があったものと思います。
そんな方々からすれば倍になった1000円という価格設定は高く感じていたのでしょう。
ですが、2020年以降は600円を越えており、ラーメン1杯600円〜800円の時代に生きてきた世代たちはラーメンが一杯1000円を越えてもさほど違和感を感じない様子です。
ラーメンの価格は大体最低賃金の時給に比例する傾向にあり、現在は東京なら1163円、全国なら1055円が平均となります。
店側の値上げ理由
ここ2~3年という短いスパンで個人店では食材原価が約5割、人件費が1割アップしております。
食材原価に限っては1.5倍に膨らんでいるため過去の数十円の値上げ感覚ではとても間に合いません。
従来の利益を確保するには200円以上の客単価アップが必須となります。
ラーメン店では食べたらすぐに店を出る暗黙の了解があり、客の回転率は他の飲食店よりもかなり早い部類に入ります。
そのため、現時点で客入りは十分なため、1人の客単価を上げざる負えないのです。
即戦力として、トッピング、味玉や替え玉を準備し急な客単価引き上げに対応することが多い様子です。
付加価値をつけることが鍵

ラーメン一杯2000円を実現するには一番わかりやすいものとしては味を強くしかつ具沢山にする方法です。
急な客単価を上げるにはトッピングが対策ですが、トッピングを予め入れてしまい単価を上げ、かつ味は一口目で美味しいと言ってもらえるようなインパクトのある濃厚出汁が人気です。
「これまでは仕込みの努力や苦労が敬われ、一杯のストーリーが評価されてきたが、そうした情緒的な理屈をZ世代に押しつけるのは難しい。好みの味覚やコスパなど自己的かつ質実的な価値が支持される」
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/1c2b24b11a3c8974bef23215c82a131ffff91f6f
外食ジャーナリストの亀高斉氏のコメント
筆者も含めZ世代はラーメン一杯の味が出来上がるまでの過程をみるというよりは自分の需要に合っているかどうかが重要視される傾向にあるとのことです。
特にタイムパフォーマンスの付加価値を提供するラーメン店も登場してきており、予約時に課金が必要になるお店や行列に並びたくなくかつ確実に食べたいお客様向けにファストパスを発行し、並んでいる客より優先して入れる店も登場しております。
まさかのディズニーランドと同じ方法でタイムパフォーマンスの付加価値を提供するラーメン店が登場しているのは驚きですね。
ネットでの反応
▶︎ネットでのコメント
こだわりのラーメン店から町中華の中華そば、色々なラーメンが存在する それに応じた客層も存在し、大衆食として発展してきたのであって、それらすべてをゴチャ混ぜにして議論することがナンセンス シンプルかつ安価なラーメンでも絶賛したい店舗もあるし、要するに経営の仕方ですね
ラーメンが庶民の食べ物という観点ならば、2000円出して食べる人は少ないでしょう。 ただ、大半の飲食店には、庶民向け、高所得者向け、などターゲット層があるはずです。このラーメン屋のターゲット層が2000円を高いと思わない人たちであるのなら、既成概念がどうたらと騒ぐような値段ではないと思います。 ラーメンの1000円の壁も、メディアが作り出したイメージだと思います。ラーメンもハンバーガーも寿司も、どんな食べ物も高いのがあれば安いのもある。その中から自分がおいしいと思うところに行くだけです。
高くしようとすればどこまででも高くなる。 そんなこと言ったらハンバーガーは60円だったし牛丼は280円だ。 二倍、三倍の値段になっても何の変化のないものなんてザラにある。 半世紀近く真っ当に作り続けてきた結果が物価高での値上げというのと、 組み立て上、高くなる前提で構成されたものとでは意味合いが違うと思う。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/1c2b24b11a3c8974bef23215c82a131ffff91f6f/comments
そもそも安価なラーメンと高い金額設定をし、高所得者向けのターゲット層にしたラーメンでは比べ物にならないという意見が多く見られました。
過去の物価と比較したら今の価格が比べ物にならないという意見もありネットでは熱い意見が交わされておりました。
ラーメン界の今後
これまでラーメン店は、スープや麺、具材というラーメンの中身にこだわって作り上げ、客単価を上げる傾向が強い状況でした。
ですが、ラーメン自体のバリエーションや味以外の要素、タイムパフォーマンスを重視したサービスの展開など、一杯の外側にも価値が生まれ始めております。
今後は「カウンター席が中心」「丼と箸とレンゲで食べる」「提供が早い」という定番スタイルから抜け出していくようなラーメン店も現れるかもしれません。
まとめ
ラーメン一杯2000円という価格自体はトッピングを多く頼むと自動的に達する価格のため正直筆者自身驚きはしませんでした。
ですが、一杯のラーメンができる過程を見られるよりは、味や提供されるサービスに価格が設定される時代に移り変わり少し寂しい気もします。
このラーメンを作るために人生を捧げた!というストーリーでラーメンを食べにくる時代はそれはそれでよったので、そんなラーメン店も残って欲しく感じます。
おわり
コメント