中央線や東名高速に設置されているETC(Electronic Toll Collection System)のシムテム障害が6日午前0時から38時間使えなくなる問題が発生しました。
最大8都県、106の料金所でETCが使えなくなりましたが、中日本高速道路(NEXCO中日本)は後払いでの対応をしましたが、回収がうまくできていない状況です。
36時間の間に高速道路を利用した車両は約96万台ほどあるみたいですが、回収の手間の方がかかりそうです。
今回はETCのシステム障害と支払い回収状況について記事を書いていこうと思います。
ETCシステム障害発生の原因
後払いの申し出率
後払いをしなかった場合はどうなるのか
ETCシステム障害が発生

高速道路の利用料金はかつて乗る際にチケットを控え、降りる際に一般料金所で現金を支払っておりました。
その後、無線通信のキャッシュレスで利用料金を支払うETCが登場。
一般利用は2001年3月に千葉、沖縄地区で始まり、同年11月には全国で本格的に運用が開始されました。
現在の高速道路利用時には欠かせない技術となりましたが、大規模な範囲でETCが利用できない事態が発生してしまいます。
場所は中央道や東名高速

数々のメディアで取り上げられております。
ETCが使えなくなった料金所は、中央道や東名高速など東京・神奈川・山梨・岐阜・静岡・愛知・三重の7都県のNEXCO中日本管内16路線にある96カ所にあたります(6日午後7時半時点)。
利用できなかった時間は6日午前0時半から約38時間続き、障害が起きた前週の実績から96万台程度とみられます。
本来であればETCで簡単に通過し渋滞せずスムーズに降りることができる高速道路ですが、この間はキャッシュレスでの精算ができなかったため、料金は後払いの対応を取っております。
ETC障害が起きた原因
中日本高速道路(NEXCO中日本)によると、7月に予定している深夜割引の見直しに向けたシステム改造作業を5日に終え、その後に障害が発生したとのことです。
詳しい原因はわからないとしておりますが、そのシステム改造に問題があったと睨み、改造前の状態にシステムをいったん戻しました。
ですが実際は深夜割引の見直しに向けたシステム改造作業の更新が原因ではなく、さらに一つ上の上流システムに問題がありました。
現在は復旧しておりますが、依然細かい原因は不明なままです。
サイバー攻撃の痕跡は確認されていないため、キャッシュレス情報の漏洩などの可能性は低いと考えられます。
復旧に38時間かかった理由
システムの復旧に38時間かかってしまった理由はシステムエラー箇所を見誤ったためです。
今回の応急復旧作業は、障害が発生した各料金所のシステムから優先して改修前の状態にもどす作業を行いました。
6日の午後6時にはそれが完了し、必要なデータを手動で試験配信して問題がないことも確認しておりましたが、7日の午前0時にETC課金に必要なデータの自動定時配信が行われると、再びシステム障害が発生してしまい、復旧作業前よりむしろ拡大する状況に陥ってしまいましたが理由は以下の通りです。
▶︎ETCシステムの順番
①統括システム→②広域システム→③地域管理システム→④料金所システム
当初は④の新規システムに問題があり、アップデート前の状態に戻しましたが、2度目の不具合は②広域システムに発生しました。
②広域システムから③地域管理システムへ自動配信されるデータが破損していることが7日の午前3時ごろに確認され、データ配信方法を自動から手動に変更。
正しいデータの配信を実施したのが7日の正午前後で、その2時間後にETCを再開できました。
自動配信データが破損していた理由は今もわかっておりません。
後払いを要求するも申し出は4%弱
障害が起きてから一部の車両はその場で現金を支払いましたが、約96万台利用し払っていない利用者に後払いを要求しました。
ですが、後日払いの申し出は約3万6千件、4%弱にとどまる計算となります。
中日本高速道路(NEXCO中日本)は「引き続き支払いを呼び掛けるとともに、未払いの利用者が特定できれば今後、請求する可能性がある」としております。
残り92.4万件分の支払いと請求書を送る方が時間とコストを使いそうですが、引き続き支払いをお願いしていく方針です。
後払いをしない場合はどうなるのか?
今のところ、減額や免除はしない予定とのことですが、交通事案に詳しい弁護士は「後日、料金を支払わない場合、詐欺罪(懲役10年以下)にあたる可能性がある」とコメントしております。
「予期せぬ障害で利用者に非はないが、『料金を支払わなければならない』と理解した上で、高速道路を使っている。意図的な支払いの無視は詐欺罪に問われる可能性がある」
引用元:https://mainichi.jp/articles/20250407/k00/00m/040/164000c
支払わない1人1人に対しては、証明が難しいですが詐欺罪が成立します。
問題は金額が大きくなく、件数が92.4件も該当者がいることでしょう。
ネットでの反応
▶︎有識者のコメント
後から請求書が来るというのは考えにくいですね。通行したことが特定できたのであれば、通常のシステムを使用して課金できるはずです。実際、以前、初めて通る料金所で間違えて有人ゲートを止まらずに通ってしまったことがありますが、高速道路会社に電話したら、カメラ映像を確認して、カードから引き落としてくれました。ですから高速道路会社には、わざわざ手間と郵送料をかけてまで請求書を送るメリットはありません。支払うかどうかは、ユーザーの判断に任せるしかないのではないでしょうか。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/95e761dbe8cfed0370cf2d088ec5ec90ea303a52/comments
▶︎ネットでのコメント
NEXCOの道路使用約款に、⋯ 「会社の責任 第10条 」高速道路の設置又は管理に瑕疵があったために利用者に損害を生じたときは、会社は、これを賠償する。 ⋯って書いて有るんだけどね。 皆さん、損害分を賠償して貰った方が良いですね。 完全に、高速道路の設置又は管理の瑕疵だからね。
これは道路管理者の瑕疵責任があるので、これのせいで大切な仕事や用事諸々で損害を被った利用者は損害賠償請求すればいいと思う。 金は払えというなら、損害を被った利用者に相談窓口など設けるべきである。高速道路としての機能を提供してないのに、利用料金を全額払えというのも不当な請求と思われます。
こういう結果になることは分かっていたはず。 ちゃんと払ってくれた人もいるので、不公平感が出てしまう。 払ってない人に請求するなら、確実に最後の1台分まできちんと請求して下さい。 もしそれが出来ないなら、払ってくれた人に返金した方が良いと思う。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/95e761dbe8cfed0370cf2d088ec5ec90ea303a52/comments
ネットでは、そもそも中日本高速道路(NEXCO中日本)のシステム管理の瑕疵で遅延しこちらが損害を被っているのだから利用者に遅延している状況下でも利用料を請求するのはおかしい、請求だけしてこちらの苦言を受け付ける相談窓口を設けないのは納得がいかないなど怒りの声が多く上がっております。
反応や意見を見るに今後料金を回収していくことは困難だと思われます。
まとめ
ETCのシステムが38時間使えなくなったことで96万台の利用車両に影響が出てしまった今回の問題で、筆者としては高速で移動ができるサービスを提供できなかった時点で利用料金を請求すべきではないのではと感じました。
むしろ、遅延して損害が発生した方々いることは確かだと思います。
発表はありませんが、恐らく本当に実害を被った方は多々いらっしゃると思うので、中日本高速道路(NEXCO中日本)へ損害賠償の連絡が殺到している可能性が高いです。
中日本高速道路(NEXCO中日本)よりそういった方々へ何か補償が発表されるのか注目が集まります。
おわり
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